データユーザー契約

最終更新日:2017年8月16日

背景

生物多様性データを公然かつ普遍的に利用できるようにするという目標と原則は、「GBIF了解覚書(MOU)」の第8条に規定されています。このデータユーザー契約の運用上の部分については、添付の附属書の抜粋部分および定義を参照してください。

GBIFデータの公開は、正当な帰属の枠組みの中で行われるべきです。データユーザーは、GBIF事務局が提供するフィードバックメカニズムを使用して、ネットワークを通じて共有されているデータの品質およびその他の問題についてGBIFに通知することが推奨されます。

規定

GBIFネットワークを通じて利用可能なデータとサービスを使用するには、以下に同意する必要がある。

  • GBIF事務局は、生物多様性データを公開するための枠組みを提供するが、そのようなデータの所有者でも管理者でもないため、データ出版者が提供する実際のコンテンツについて責任を負わない。
  • GBIF事務局は、データの品質または完全性を保証することはできない。また、中断のないデータアクセスサービスを保証するものでもない。ユーザーは、これらのデータおよびサービスを自己責任で使用しなければならない。
  • データ所有者に対して使用の帰属を保証するために、データの所有権の識別子(ID)は、データの再使用のために共有されるすべてのデータレコードと共に保持されなければならない。
  • ユーザーは、データの利用の際にはそのデータの情報源を引用するという科学的慣例に従い、それが適切な場合にはデータセットやデータのダウンロードの際についているDOI(デジタルオブジェクト識別子)を使用して、使用した生物多様性データのデータ公開者を公に認めなければならない。
  • ユーザーは、それぞれのデータ公開者が選択したライセンスに含まれる条件や、各データダウンロードに含まれるライセンス情報を遵守しなければならない。この使用契約のいずれかの規定が、データ公開者の選択したライセンス内の条件と矛盾する場合は、データ公開者の選択したライセンスが優先されるものとする。
  • ユーザーは、登録時に正確かつ最新の個人データを提供しなければならない。これを怠った場合、本契約は自動的に解約される。
  • 利用可能なAPI(アプリケーションプログラミングインターフェイス)によるデータの使用は、GBIF事務局のウェブサイトで提供される技術仕様に準拠しなければならない。特に、APIを使用してのサービス拒否、サービスの中断、および一般的にGBIFやデータ公開者の通常の操作を妨げる行為は禁止する。これに違反する者については、GBIF事務局の独断でそれ以上APIを使用することを拒否し、適用可能であれば検察関連当局に通報する。
  • GBIFウェブサイトはウェブサイト管理の目的で技術的性質のクッキーを使用する。
  • GBIF.orgの登録ユーザーが提供する個人情報の扱いには、「プライバシーポリシー」が適用される。
  • このデータユーザー契約には、デンマークの法律が適用される。

データの引用

ユーザーがGBIFネットワークから取得したデータを引用する際には、GBIF.org 内のデータセット、オカレンスまたはダウンロードのページに示されている、推奨される引用方法に従うことを強く勧める。

定義

  • GBIF事務局(GBIF Secretariat):GBIF参加者の契約締結、作業プログラムの実行、GBIFネットワークの中央サービス(ソフトウェアコンポーネントとアップデート、インターフェイス、インデックスの作成と登録サービス、ヘルプデスク、および関連するトレーニングを含む)の維持に対して権限を持つ法人。
  • GBIFネットワーク(GBIF network):GBIF事務局、参加者ノードおよびデータ公開者の中央サービスからなるインフラストラクチャー。GBIFネットワーク経由でデータ利用を可能にすることは、 「GBIF」中央サービス経由での関連サービスの登録および宣伝広告を指す。
  • 生物多様性データ(Biodiversity data):標本、観察、名称、分類学的概念、およびサイトに関する一次データ、および生物多様性に関するその他のデータ。
  • メタデータ(Metadata):生物多様性データの帰属と組み合わせを記述するデータ。
  • データ(Data):生物多様性データおよびメタデータ。
  • データ公開(Data publishing):データを自由かつ普遍的にインターネット上で利用できるようにするためのプロセスと合意。
  • データ公開者(Data Publisher):データを技術的に利用可能にする、データの管理者。データの所有者である場合とそうでない場合がある。所有者でない場合は、データの利用にあたっての許可を得ていることを「GBIF」に誓約している。
  • ユーザー(User):インターネットを使用してGBIFネットワーク経由でデータにアクセスするすべての人。
  • データの所有者(Owner of data):デジタル記録を作成することで生じる権利を有する法人。記録は別に由来する製品(非デジタル製品)である可能性があり、権利に影響を及ぼす恐れがある。

附属書

GBIF了解覚書

第8条-知的所有権

1. 準拠法

このMOUのいかなる文言も、参加者の関係法律、規制および国際協定に基づき決定される、 知的所有権および利益共有協定の範囲および適用を変更するものと解釈されてはならない。

2. データへのアクセス

GBIFは、可能な限り広い範囲において、アクセス制限を設けない機構である。全てのユーザーは、GBIF参加者であるかどうかにかかわらず、GBIFと提携、またはGBIFが開発したデータベースのデータに、平等にアクセスできるようにする必要がある。

3. 生物多様性データの知的所有権

GBIFは、生物多様性データの自由な普及を促進するものとし、とりわけ、以下のことを行うものとする。

(a) 他の組織が開発し、その後、GBIFと提携するに至ったデータベースのデータに対して、いかなる所有権も主張しないこと。

(b) GBIFが直接的に委託・作成または開発したあらゆるデータを、可能な限りの最大の範囲で、データ再利用に関する最小限の制限付きで自由に利用できるように努めること。

(c ) GBIFに自身のデータベースを提携するデータ公開者が定める条件を尊重すること。

他のデータベースとの提携または連携を確立するに際し、GBIFは、利用できるようになったデータは、正当な提供源の帰属とは別に、その後のデータの非商業利用および普及に関して制限を受けないよう努めるものとする。

4. 帰属

GBIFは、常にデータの公開者/所有者が確認されるよう努力し、かかる帰属がデータのその後のあらゆる利用において維持されるよう要請する。

5. 特定データへのアクセス

このMOUのいかなる文言も、GBIFと提携したデータベースの公開者/所有者がいずれかのデータへのアクセスをブロックする権利を制限する、と解釈されてはならない。

6. データの有効性

GBIFと提携するあらゆるデータベースのデータの有効性を保証できないことにつき、ユーザーが認識することをGBIFのアクセス可能なデータへのアクセスおよび利用についての条件とする。GBIFは、データの正確性および信頼性についての責任、ならびに特定目的への応用の適合性についての責任を否認する。

7. データ収集の合法性

新規データの収集に生物多様性資源へのアクセスを伴う場合、GBIFは、当該アクセスが適用されるべき法律、規制および何らかの関係する事前通知に基づく承諾要件と合致していたという合理的な保証をデータ公開者/所有者に求めるものとする。

8. 生物多様性ツールの知的所有権

GBIFは、GBIF作業プログラムを実施中にGBIFが開発した、検索エンジンまたはその他のソフトウェア製品等のあらゆるツールについて、適用されるべき国内法域内において主張可能な、適切な知的所有権を主張することができる。

9. 技術移転

参加者は、あらゆる関係する知的所有権に従うことを条件として、GBIFは、相互に決定した条件の下で、利用可能となった情報科学技術を、とりわけ、訓練および能力開発プログラムと併せて、特に開発途上国の研究施設への非独占的移転を促進すべきことを確認する。