すべての脊椎動物の分類のうち最も多様性に富み、約16,000種が記載されている淡水魚は、最も絶滅の危機に瀕しているグループでもあります。体の大きさと生息範囲の広さは絶滅リスクを良好に予測する因子であり、新たに記載された種は、通常は体が小さく範囲が狭いことから、絶滅の可能性が高いと推測されます。
この研究では、弱電気魚のモルミルス上科(Mormyroidea)とナマズ目(Gymnotiformes)の2つのグループについて、種の形質、論文発表日、絶滅リスクの間の関係を調べました。著者らは、FishBaseから体長に関するデータを集め、470の種についてIUCNの生息範囲地図かGBIF上のオカレンスに基づいて種の分布を導き出しました。
分析の結果、より大型の種では1種を除きすべてが「軽度懸念(LeastConcern, LC)」または「データ不足(DataDeficient, DD)」であったのに対し、広く分布する種はすべて「LC」であることが明らかとなりました。このモデルでは、新たに記載された種は、体が小さく範囲が狭いものが多く、絶滅しやすいことが確認されました。特にアフリカのモルミロイドは、記載後に存在が短命となる可能性が示唆されました。