保存の優先順位付けのための遺伝的熱指数(GHI)の使用

研究は、空間スケールを超えて情報を統合し、ギャップを埋めるための迅速な植物調査を活用することで、熱帯地方の植物目録を改善することを提案しています。

Tetraena simplex
Tetraena simplex recorded near Berbera, Somalia by Ahmed I. Awale. Photo via University of Hargeisa Herbarium.

生物多様性の高い地域を特定することは、保存すべき地域を優先付けする際に重要です。そのようなホットスポットは、種の数や固有性のレベルによって定義することができますが、種の豊富さだけでは保存の優先順位を強調するための価値は限られていると考えられています。

この研究で、研究者らは保存の優先順位を示す新たな指標として「バイオクオリティ(生物品質)」を提案しています。これは、ある植物群落に含まれる世界的に希少な分類群の濃度によって測られる生物多様性の値として定義されます。バイオクオリティは、生物の世界的な生息範囲の評価に基づいて種を分類し、遺伝的熱指数(Genetic Heat Index , GHI)に要約することで計算され、種の豊富さや希少性などの他のパラメータを補完することができます。

著者らは、GBIFやその他の情報源から入手した40,000種以上の植物のオカレンスデータをまとめ、東アフリカのGHIスコアを様々な解像度で導き出し、地域レベルと地方レベルのホットスポットとデータギャップを特定しました。サンプリングのギャップを埋める手段として、この論文では、分類学的及び生態学的な記録の強みを組み合わせて、特定の地域におけるすべての植物の種、群落の種類、ホットスポットの位置に関する情報を提供することを目的とした、迅速植物調査(Rapid Botanic Surveys)を提案しています。

Original article

Hawthorne WD and Marshall CAM (2019) Rapid Botanic Survey, Bioquality and improving botanical inventory in the tropics by integrating across spatial scales. Gardens’ Bulletin Singapore. National Parks Board 71(suppl.2): 315–333. Available at: https://doi.org/10.26492/gbs71(suppl.2).2019-21