保全計画策定において情報に基づいた決定を行うには、種の分布についての十分な知見が必要です。しかし、空間データにおけるギャップとバイアスにより、結果がゆがめられ、種の分布を正確に予測できなくなることがあります。
この研究では、ブラジルの半乾燥熱帯林カーチンガに生息する種の事例研究において、サンプリングの取り組みとバイアスを評価するための「不知スコア‘ignorancescores’」の利用について調べました。この地域におけるすべてのGBIF上のオカレンスデータをダウンロードし、研究者らはデータを同様の収集方法の分類学的に関連するグループに整理し、10km×10kmセルごとにスコアを計算しました。
結果は、植物を除くすべてのグループのセルの大部分で、不知スコアが高いものは驚くほどの分類学的バイアスを示し、この地域において植物の記録を優先すべきことが示唆されました。両生類では、記録のないグリッドセルの割合が99%を超えていました。
記録バイアスの理由を探るため、著者らは道路密度を主な要因として、人口密度と最も近い大学までの距離を二次的な予測因子として指摘しました。